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特定技能制度の受入れ12分野について

日本の労働市場が抱える深刻な人手不足を解消するため、特定の技能や専門知識を持つ外国人労働者を受け入れる「特定技能制度」が2019年に導入されました。この制度は、国内で労働者の確保が困難な産業分野に重点を置いており、将来的には日本の労働者不足がさらに深刻化することが予想され、即戦力として期待される外国人労働者の需要が高まると考えられています。ただし、特定技能制度には受け入れ可能な分野が限られているため、注意が必要です。この記事では、特定技能制度の基本的な知識と受け入れ可能な分野の概要、そして現状をわかりやすく解説します。

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特定技能の12分野の
業務内容と雇用形態について

特定技能1号で受け入れ可能な分野は、2022年4月から製造業の3分野(素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業)を統合し、12分野に再編されました。12分野の概要と、受け入れの現状をそれぞれ紹介いたします。

① 介護

概要
介護及び付随する業務に従事できます。訪問系の介護サービスは対象外となるため気を付けましょう。

また、介護は特定技能2号が設けられていない唯一の分野となります。

現状
2022年度有効求人倍率:2.60倍
2023年6月時点の特定技能外国人数:21,915人
5年間(2019年~)の受入れ見込み数:59,000人
「介護」分野の特定技能試験は積極的に進められており、日本国内だけでなくフィリピンやカンボジアなど海外でも行われています。2022年12月時点での特定技能試験に合格済の在留資格未取得者数は29,976人にも渡っております。

対象の特定技能資格
特定技能1号

② ビルクリーニング業

概要


建物内部の清掃を行い、衛生環境の保護、美観の維持、安全の確保に努めます。特定の場所や部位、使用されている建材、汚れの程度に応じて適切な洗剤や清掃用具を選ぶための専門知識が求められます。


現状


2017年度の有効求人倍率:2.95倍

2023年6月時点での特定技能外国人数:2,728人

5年間(2019年〜)の受入れ見込み数:37,000人

ビルクリーニング業界では、深刻な労働力不足が問題となっています。これは「建築物衛生法」により、衛生管理や清掃が求められる建物が増加しているためです。業界では、清掃ロボットの開発や賃金の引き上げ、女性や高齢者の雇用促進などの対策が行われていますが、依然として人手不足は解消されていません。そのため、特定技能外国人の受け入れが非常に重要となっています。
 

対象の特定技能資格


特定技能1号・2号

③ 素形材・産業機械・電気電子情報関連製造分野

概要

機械金属加工や電気電子機器の組み立て、金属表面処理など、製造業務全般に従事します。


現状


2017年時点での有効求人倍率(関連分野):2.80倍
2023年6月時点の特定技能外国人数:35,641人
5年間(2019年~)の受入れ見込み数:49,750人
2023年時点での特定技能試験に合格した外国人は713人で、大半が技能実習2号からの移行になります。

 

対象の特定技能資格


特定技能1号・2号

④ 建設業

概要

左官、とび職、大工、ライフライン設備など建設関連全般に従事します。業務内容は多岐に渡ります。

ただし建設分野で外国人を受け入れるために受け入れ企業は、① 建設業許可の取得 ② 建設キャリアアップシステムへの加入 ③ JACへの加入 ④ 国土交通省による建設特定技能受入計画の認定の4つの要件を満たす必要があります。


現状


2017年時点での有効求人倍率:4.13倍
2023年6月時点の特定技能外国人数:18,429人
5年間(2019年~)の受入れ見込み数:40,000人

「建設機械施工」や「鉄筋施工」の分野では、多くの外国人が活躍しています。2022年12月末時点で特定技能試験に合格した人数は1,021人で、その大半は技能実習2号からの移行者です。この試験は国内だけでなく、フィリピンやベトナムでも行われており、今後さらに試験を実施する国や地域が増えると予想されます。

対象の特定技能資格


特定技能1号・2号

⑤ 船舶・舶用工業

概要

船舶及び舶用の溶接、塗装、鉄工、仕上げ、機械加工、電気機器組立てに従事します。


現状

2023年6月時点の特定技能外国人数:6,377人
5年間(2019年~)の受入れ見込み数:11,000人

特定技能外国人の多くが技能実習2号からの移行となります。特に「溶接」分野での就労が多い実態です。

対象の特定技能資格


特定技能1号・2号

⑥ 自動車整備業

概要

自動車の日常点検整備、定期点検整備、分解整備及び電子制御装置整備に従事します。


現状

2023年6月時点の特定技能外国人数:2,210人
5年間(2019年~)の受入れ見込み数:6,500人

「自動車整備分野特定技能評価試験」と「自動車整備士技能検定試験3級」の2種類の試験から選ぶことができます。2022年12月末時点で、特定技能試験に合格したが資格をまだ取得していない者は1,510人に達しています。

対象の特定技能資格


特定技能1号・2号

⑦ 航空業

概要

「空港グランドハンドリング業務」には、航空機の駐機場への誘導や移動、手荷物・貨物の取り扱い、航空機内外の清掃整備などが含まれます。また、「航空機整備業務」では、航空機の整備や大規模な定期整備を行う2つの部門があります。


現状

2017年時点での有効求人倍率:4.17倍
2023年6月時点の特定技能外国人数:342人
5年間(2019年~)の受入れ見込み数:1,300人

整備士の高齢化が進行しており、海外でも試験が行われています。2022年12月末時点で、特定技能試験に合格したが資格をまだ取得していない者は846人に達しています。

対象の特定技能資格


特定技能1号・2号

⑧ 宿泊業

概要

宿泊施設において、フロント業務、企画・広報、接客、レストランサービスなど、宿泊サービスに関連する業務に従事します。ただし、ベッドメイキングを主とした業務や接待業務、簡易宿所、下宿、風俗営業法に規定されている施設では、特定技能外国人の受け入れはできません。


現状

2017年時点での有効求人倍率:6.15倍
2023年6月時点の特定技能外国人数:293人
5年間(2019年~)の受入れ見込み数:11,200人

政府はインバウンド需要の増加を目指しているため、今後も多くの人材が求められる分野です。2022年12月末時点で、特定技能試験に合格したが資格をまだ取得していない者は3,962人に達しています。

対象の特定技能資格


特定技能1号・2号

⑨ 農業

概要

農業分野には「耕種農業」と「畜産農業」の2つがあり、それぞれに独自の試験が設けられています。

農作業には繁忙期と閑散期があるため、特定技能外国人の派遣による受け入れも認められています。


現状

2023年6月時点の特定技能外国人数:20,882人
5年間(2019年~)の受入れ見込み数:36,500人

国内の農業従事者の年齢は65歳以上が占める割合が68%に達しています。今後、農業分野で求められる労働力は益々増加傾向にあると言えます。

2022年12月末時点で、特定技能試験に合格したが資格をまだ取得していない者は25,308人となっています。

対象の特定技能資格


特定技能1号・2号

⑩ 漁業

概要

漁業分野は「漁業」と「養殖業」の2つのカテゴリーに分類されており、それぞれに異なる試験が設けられています。漁業も農業と同様に繁忙期と閑散期があるため、特定技能外国人の派遣による受け入れが認められています。


現状

2023年6月時点の特定技能外国人数:2,148人
5年間(2019年~)の受入れ見込み数:6,300人

漁業分野の就業者は約20年間で半減しており、そのうちの2割が65歳以上という状況です。労働力の確保が大きな課題となっています。国内試験と海外試験(フィリピン)が行われていますが、2022年12月末時点で特定技能試験に合格した人数は383人にとどまり、大半は技能実習2号からの移行となります。
 

対象の特定技能資格


特定技能1号・2号

⑪ 飲食料品製造業

概要

飲食料品製造業全般(酒類を除く飲食料品の製造・加工、安全衛生)に加え、日本人が通常行っている関連業務にも付随的に従事することが可能です。また、2024年7月23日より、食料品製造を行う総合スーパーマーケットおよび食料品スーパーマーケットにおける特定技能外国人の受け入れ制度が施行されました。これにより、新たにスーパーマーケットなどの食料品部門で惣菜などの製造に特定技能外国人を受け入れることができるようになりました。


現状

2017年時点での有効求人倍率:2.78倍
2023年6月時点の特定技能外国人数:53,282人
5年間(2019年~)の受入れ見込み数:87,200人

飲食料品製造業は特定技能外国人の中で最も多く、技能実習生からの移行も増加しています。今後はHACCP(衛生工程管理システム)の知識を持つ人材が必要とされるため、基本的な知識や経験、そして思考能力を備えた外国人が求められています。

 

対象の特定技能資格


特定技能1号・2号

⑫ 外食業

概要

飲⾷物調理、接客、 店舗管理と幅広く業務を行うことができます。


現状

2017年時点での有効求人倍率:4.32倍
2023年6月時点の特定技能外国人数:8,842人
5年間(2019年~)の受入れ見込み数:30,500人

2022年12月末時点で、特定技能試験に合格したが資格をまだ取得していない者は20,375人に達しています。集客力のある観光地では、外国人の受け入れが訪日外国人の来店を期待できる要因となります。

 

対象の特定技能資格


特定技能1号・2号

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